栄養事典 炭水化物編 食物繊維

食物繊維
食物繊維とは、ヒトの消化酵素で消化できない成分のことです。
腸内環境を改善したり、生活習慣病の予防につながるなど、たくさんの健康効果が期待されています。
食物繊維には、水に溶けない不溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維があり、それぞれ特徴があります。
不溶性食物繊維
不溶性食物繊維は、 穀類、豆類、野菜、海藻、いも類、果物などに含まれています。
水に溶けず、水分を吸収する性質があるため、水分を吸収すると、数倍の大きさになります。
便のカサが増します。このため腸の働きを刺激して排便を促す、また、大腸がんを予防する働きがあります。
他にも咀嚼回数が増えるため、早食いを防ぎます。
胃の中の滞留時間が長いので満腹感が得られて、肥満防止につながります。
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維は、水に溶けます。
野菜や果物、海藻などに多く含まれています。
粘性があるため、胃から小腸への移動が遅くなり、ブドウ糖の吸収のスピードが抑えられるため、血糖値の急激な上昇を防ぎます。
他にもコレステロールの吸収を抑制し、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病を予防します。
また、腸内細菌の働きを活発にしたり、腸内細菌を増やすなど、腸内環境を改善する働きがあります。
1日にとりたい食物繊維の量
1日の食物繊維の食事摂取基準(g)は、下記の表のとおりです。

食物繊維には、生活習慣病の予防や便秘の改善が期待されていますが、その摂取量などはまだまだ検討する余地があるとされています。
そのため、「極端でない範囲でできるだけ多めに摂取することが望ましい」とされています。
理想的には1日に24g以上、1,000キロカロリー当たり14gを目標にすべきともいわれていますが、2017年に摂ることができていた食物繊維の量と比較すると、今よりも10gも多くとらなければならなくなります!
食物繊維、とれていますか?
2017年の食物繊維の平均摂取状況は、
サプリメント等を除く通常の食品から、20歳以上の男性で平均15.2g/日、女性は平均14.8g/日を摂取していました。
厚生労働省の目標量に比べて、1日に5g程度、不足しているんですよね。
ちなみに便秘が気になる女性が1日に摂取する食物繊維の平均は、
20代 11.8g
30代 12.5g
40代 13.0g
50代 14.3g
という驚きの結果がでていました。
ダイエットなどをすると食事の量が減るため、食物繊維を摂取する量も減る傾向にあります。
また、食物繊維は炭水化物に多く含まれており、炭水化物を抜くダイエットにも注意ですよ~。
食物繊維が不足すると?
食物繊維が不足してしまうと、便秘や腸内環境の悪化につながります。
食物繊維を摂り過ぎると?
一方、食物繊維を摂り過ぎてしまうと、鉄やカルシウムなど、ミネラルの吸収を妨げるとされています。
ただし、通常の食事では食物繊維を摂り過ぎる心配はないことと、食物繊維の摂り過ぎによってリスクが増した生活習慣病は報告されていません。
サプリメントや健康食品で摂取する場合は、摂り過ぎに気をつけてください。
また通常の食品でも、重症の便秘の場合は、食物繊維の取り過ぎで、便秘が悪化することもあります。
食物繊維を多く含む食品
食物繊維は、穀類(ごはんやパンなど、特に未精製の穀類)、豆類、野菜類、海藻類、果物などに含まれています。野菜はその種類や食べる量により、摂取できる食物繊維の量がかわりますので、下記の表にまとめてみました。
上から順に目安量で摂取できる食物繊維の多い順に並んでいます。

食物繊維の効果的なとり方
食物繊維は、意識してとらないと不足しやすい成分です。
野菜に多く含まれていますが、量をとるには、ゆでる、炒める、煮るなどして野菜のカサを減らして量をとるのがオススメです。
また食品によって、不溶性、水溶性など含まれている食物繊維の量が違いますので、同じ食品に偏らず、いろいろな組み合わせで食べるのがオススメです。
便秘と食物繊維
食物繊維を意識する理由に便秘が大きくあり、今では食物繊維が便秘に効果があると多くの方がご存知かと思います。
食物繊維は、不溶性も水溶性もそれぞれ便秘の予防に良いとされていますが、お薬とは違うため、食物繊維を多く含む食品を多くとったからといって、便秘が必ずしも改善する、排便があるということではありません。
特に重症の便秘の方は、腸の「ぜん動運動」の機能が低下しているので、食物繊維をとって便のカサが増しても、便が大きすぎて、腸の中で進まなくなる可能性もあります。
そうすると腸の中に便がとどまる時間が長くなり、水分が吸収されてかたい便になってしまい、よりいっそう便が出にくくなります。
便秘対策、便秘予防には食物繊維を多めにとるだけではなく、規則正しい生活習慣や排便の習慣を持つこと、運動習慣を持つこと、ビフィズス菌や乳酸菌を意識して腸内環境を良くすること、ストレスをためないこと、睡眠時間を確保することなど、他にもできそうなことがあるので、ご自分の生活習慣を振り返ってみましょう。
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参考・引用文献
七訂食品成分表 女子栄養大学出版部
日本人の食事摂取基準 第一出版
調理のためのベーシックデータ
平成29年国民健康・栄養調査結果の概要(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000351576.pdf
(2019年3月10日に利用)


