栄養事典 ビタミン編 ビタミンB1
ビタミンB1
ビタミンB1は、1910年(明治43年)に米ぬかの中から発見した水溶性のビタミンです。
ビタミンB1は、とても大切なビタミンで、体の中で、ごはんやパン、めん類などに含まれている糖質をエネルギーに変えるために、必要な補酵素です。
ビタミンB1が不足すると、食欲不振や倦怠感、神経炎などになることが知られています。
1日に必要なビタミンB1の食事摂取基準は、下記の表のとおりです。
ビタミンB1は、意識しないと不足しやすくなる
2017年のビタミンB1の平均摂取状況は、
サプリメント等を除く通常の食品から、1日に20歳以上の男性で平均0.95mg、女性で平均0.82mg摂取していました。
上の表の必要量と比べると、少し足りないことがわかります。
ビタミンB1が不足してしまうと?
ビタミンB1は、糖質の代謝に大きな影響があるため、糖質を主なエネルギー源としている脳や神経に影響があります。
全身倦怠感や手足のしびれ、脚気の症状が現れたり、むくみや心肥大、意識障害に発展する場合もあります。
糖質を多くとったり、アルコールをたくさん飲む人、運動によるエネルギーの消費が激しい人は、ビタミンB1が不足しやすくなります。
私たち日本人は、ごはんやパンなどから、1日のエネルギーの半分を糖質からとっています。
ビタミンB1が不足すると、糖質が代謝されにくくなってしまうんですよね!
ビタミンB1をとりすぎると?
頭痛、いらだち、不眠などがありますが、ビタミンB1を食事やサプリメントでとりすぎてしまったことによる悪影響は報告されていません。
とりすぎたビタミンB1は、尿として体の外に排泄されます。
ビタミンB1が多く含まれる食べ物をみてみましょう!
ビタミンB1が多く含まれる代表的な食品は、下記の通りです。
上から、目安量1回当たりに含まれるビタミンB1の多い順に並んでいます。
豚肉の赤身肉に多く含まれているのがビタミンB1の特徴ですが、動物性の食品が苦手な肩は、大豆や玄米、未精製の穀類からとると、ビタミンB1がとりやすくなります。
ちなみに、玄米ごはん150gでは0.24mgのビタミンB1をとることができました。
白米だと、150gでは、0.03mgとかなり、減ってしまいます。
ビタミンB1の吸収
食品に含まれるビタミンB1は、調理過程や、胃の中での胃酸の働きを受けて、遊離型ビタミンB1になります。その後、消化され、小腸で吸収されます。
食べ合わせの食品によっても、吸収の過程は変わってきますが、日本で食べられる平均的な遊離型ビタミンB1の利用率は、60%と報告されています。
ビタミンB1の効果的なとり方
体内に貯蔵できる量は少ないため、糖質を食べるときは、ビタミンB1の摂取を意識したいですね。
また、ねぎや玉ねぎ、ニラに含まれる硫化アリルという成分はビタミンB1の吸収を助ける働きがあります。
硫化アリルとビタミンB1が結合することで、体内にビタミンB1を長く留めることになるのです。
貝類や山菜に含まれる酵素の中に、ビタミンB1の生理活性を失活させてしまう成分があります。
しかし、加熱することによりその作用は失われますので、あまり気にしなくても大丈夫そうです。
未精製の穀類がオススメ
食品100g当たりで比べると、ビタミンB1が最も多く含まれているのは、パン酵母で、 8.81mgです。
次に多く含まれているのは米ぬかで、100g中、3.12mgです。
どちらも一度にたくさんとることができる食品ではありませんが、米ぬかは、玄米に含まれているため、精米してしまうと、お米の良いところが、本当に少なくなってしまうんですよね。
同様に、小麦胚芽にもビタミンB1が多く含まれています(100g中1.82mg)。
ぬかや胚芽には、ビタミンB1の他にも、不足しがちな栄養素がつまっています。
未精製の穀類をとることで、目標よりも、少しだけ足りなかったビタミンB1を補えそうですね~!
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参考・引用文献
日本食品標準成分表2015年版(七訂)
日本人の食事摂取基準 第一出版