全卵を泡立てる共立て法のコツ
卵白の泡立てのコツを以前、ご紹介しました。
そのときに、卵白の泡立ての邪魔をするもののひとつに油脂があるとお伝えしています。
でも全卵(卵白+卵黄)は、卵黄の脂質が含まれているのに、泡立ちますよね?
ふわっと。
スポンジケーキをつくるときには、全卵の泡立てが欠かせない作業でもあります。
全卵が泡立つ理由
全卵が泡立つのはどうしてでしょうか?
卵黄に起泡性があるから??というわけではありません。
全卵と卵白の泡立てを比べてみると、
卵白の方が泡立ちやすいように、卵黄はやはり卵白の泡立ちを邪魔しています。
脂質は、卵の泡立ちを邪魔して、安定性も低くする性質があります。
しかし、
卵黄に含まれている脂質は、
バターやゴマ油に含まれるような油脂とは違う性質を持っているため、
それほど強く卵白の起泡性を邪魔しません。
卵黄の秘密はレシチン
卵黄に含まれている油脂は、レシチンで覆われています。
そのため、泡立てていても卵黄の油脂は、卵白には直接ふれていません。
卵を泡立てているボウルの中をのぞき込んでも、数ミクロン単位のことになるので、
肉眼では見ることはできないのが、残念です!
そうはいっても、卵白だけで泡立てるのに比べて、全卵は泡立ちにくい。
全卵の泡立ちをよくするコツ
全卵の泡立ちをよくするコツをご紹介しましょう。
先に砂糖を加える
卵のたんぱく質を必要以上に変性させず、卵が煮えすぎないようにします。
湯煎にかける
温度が高いほど泡立ちやすくなりますが、全体が、35℃~42℃程度になったら外します。
砂糖を溶かすようにしてあたためる
湯煎にかけていても、泡立て器でかき混ぜ続けましょう
必要以上に温めない
卵に火が入りすぎると、卵が煮えてしまい本来の目的ではなくなります。
35℃~42℃が目安!
60℃ぐらいから卵白が固まり始めますので、慣れない場合は温度計を使うようにしましょう。
共立て法と別立て法
全卵を泡立てる方法を共立て法といい、卵白だけを泡立てる方法を別立て法といいます。
共立て法
共立て法で泡立てた生地は、
泡のキメが細かく、やわらかく、クリーム状でしっとりとした状態に仕上がります。
スポンジケーキとして、おなじみです。
別立て法
別立て法で泡立てた生地は、しっかりとした気泡で、コシがあるのが特徴です。
生地の形が崩れにくいのが特徴です。
シフォンケーキは別立て法ですね。
共立て法と別立て法、それぞれの特徴がありました。
卵の特性は本当に面白いです。
本サイトにご訪問&記事をお読みくださり、ありがとうございます。
この記事では、料理日和がこれから料理を楽しみたい方、既に料理を楽しんでいる方のために、さらに料理が好きになり、楽しんでいただきたいと思い、食材や料理、栄養・健康などの情報を提供させていただいております。
料理日和とは、北海道札幌市にある料理教室です。
料理をするのが楽しくなり、家庭的で季節や行事にこだわってつくられる料理のレシピや食に関わる情報を提供しています。マンツーマンレッスンを中心に少人数制でレッスンをしていますので、初心者さんも安心してご参加いただけます。
若干、北海道目線で記しておりますので、一般的で無い食材や目安の分量なども存在するかもしれません。
今後ともお読みいただいたり、何かのお役に立てますと嬉しいです。
参考・引用文献
新調理学 光生館
お菓子「こつ」の科学 柴田書店