卵の泡立てのコツ~卵白編~
全卵と卵白、泡立てやすいのはどちらでしょうか?
お菓子作りを経験したことがある人はご存じの通り、絶対に卵白ですよね!

卵白を泡立てる
卵白をボウルに入れて、泡立て器で泡立てると、大きめの気泡ができてきます。
さらに空気を含ませるように、続けて泡立てていくと、徐々に気泡が細かくなります。
さらにさらに続けていき、泡立て器で卵白をすくってみると弾力のある泡が、
泡立て器についてくるのがわかります。
メレンゲ状のものが出来上がり、泡立て器で容易にすくうことができます。
卵白を泡立て器で、泡立てるとメレンゲ状に泡立つ理由
卵の性質のひとつに、起泡性(きほうせい)というものがあります。
卵白は、8割以上が水分で、残りのうち1割は、たんぱく質でできています。
この卵白のたんぱく質には、卵白の水分の表面張力を弱くする作用があるので、
撹拌することで、泡立ちやすくなります。
※表面張力が弱いと泡立ちやすいという性質がある。
そして、単に泡立つだけでは、泡立て器ですくい上げることはできません。
泡を安定させる必要があります。
これも卵白に含まれるたんぱく質のおかげ。
卵白に含まれるたんぱく質の中には、空気に触れると本来の性質を失い、
かたくなる性質を持つものがあるためです。
水分の多い卵白ですが、含まれている1割のたんぱく質のおかげで、メレンゲができているのです。
卵白を泡立てるコツ
泡立ちやすさには、卵白に含まれるたんぱく質が関係していました。
そのほかに、
卵白の粘度、卵白の温度、砂糖、脂質(油脂)なども関係しています。
卵白の粘度
卵白は粘度が低いほうが、泡立ちやすいという性質を持っています。
卵白の粘度は、古い卵のほうが低いため、早く泡立つのは古い卵です。しかし、できた気泡の安定性はあまりよくありません。
泡立てに時間がかかりますが、
キメの細かいしっかりしたメレンゲにするには、新鮮な卵の方がおすすめです。
卵白の温度
試験管内で行った実験ですが、
10℃の卵白を基準に、20℃、30℃、40℃の卵白と泡立ちを比べてみると、それぞれ、1.1倍、1.2倍、1.3倍大きく泡立ったという結果がありました。
同一条件では、温度が高い方が、泡立ちが良いと考えられます。
卵白を冷蔵庫に入れる必要は無いってことですね。
砂糖
卵白を泡立てて、メレンゲをつくるときは、砂糖を何回かに分けて加えます。
普通、砂糖を加えない状態で泡立てはじめ、少し気泡ができてくると少量の砂糖を加えます。
砂糖には、気泡の安定性を良くする効果があるためです。
最初から砂糖を加えないのは、
砂糖を加えることで、卵白に粘度をつけしまうため、泡立ちにくくさせてしまいます。
また、砂糖には卵白に含まれるたんぱく質の変性を抑制する働きがあるため、
泡立ちにくくするのです。
繰り返しになりますが、少し泡立ってから、最初の砂糖を加えましょう。
脂質(油脂)
油脂は、卵白の気泡を壊す性質があります。
卵白をボウルに入れる前に、ボウルに油がついていないか、
洗剤カスが残っていないか良く確認しましょう。
泡立て器も同様にチェックしてみてくださいね。

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参考・引用文献
新調理学 光生館
お菓子「こつ」の科学 柴田書店