片栗粉とコーンスターチの違い

小麦粉

片栗粉はじゃがいものデンプン。
コーンスターチはトウモロコシのデンプンですが、

同じデンプンでも原料となる植物が違うとその性質、特徴が変わります。

デンプンにはそれ以外にも種類があるので、
片栗粉やコーンスターチ以外のデンプンもご紹介しましょう。

デンプンの分類

デンプンは植物の実や根茎から採取されます。
それによって分類されています。

種実デンプン

米、小麦、トウモロコシ、緑豆

根茎デンプン

じゃがいも


じゃがいも、さつまいも、くず、キャッサバ、カタクリ








デンプンの特徴を知る前に用語のご説明

BU(ブラベンダーユニット)

デンプンの粘度の単位。

ドイツのブラベンダー社がデンプンの粘度を測定する機械を開発したため、その名をつけた。

糊化

別名α化ともいう。

デンプンの粒が水を吸って膨潤し、糊状になること。

この糊状になったものが水に溶けて水分に濃度が付く。

ゲル

ゼリー状のこと

下記の説明では、デンプンが糊化して、液体に濃度が付いたためゲルになっていること。

デンプンの特徴

粒の大きさは、2~10㎛と小さい。

デンプン6%のときの糊化開始温度は67.0℃。最高粘度は112BU

デンプン7%のときのゲルの状態は、もろく、かたい。液体はやや不透明。

小麦

小麦粉

粒の大きさは、5~50㎛。

デンプン6%のときの糊化開始温度は76.7℃。最高粘度は104BU

デンプン7%のときのゲルの状態は、もろく、やわらかい。液体はやや不透明。


トウモロコシ

シュークリーム

一般には、コーンスターチと呼ばれて出回っている。

粒の大きさは、6~30㎛。

デンプン6%のときの糊化開始温度は73.5℃。
最高粘度は260BU

デンプン7%のときのゲルの状態は、もろく、かたい。
液体は不透明。



軽い食感に仕上げたいときに使用され、お菓子に多様されるが、
中でも小麦デンプンと比べて、ゲルがかたいのが特徴。

カスタードクリームなど固めに仕上げたいときに用いられる。

緑豆

粒の大きさは、15㎛。

デンプン6%のときの糊化開始温度は73.5℃。最高粘度は260BU

デンプン7%のときのゲルの状態は、もろく、かたい。液体は不透明。

じゃがいも

現在では、片栗粉として出回っている。料理のとろみ付けや唐揚げに使われる。

粒の大きさは、15~120㎛と、デンプンの粒の中では大きい。

デンプン6%のときの糊化開始温度は63.5℃。最高粘度は2200BUで、強い粘りを持つ。

デンプン7%のときのゲルの状態は、強い粘着性がある。液体は透明。

さつまいも

粒の大きさは、5~60㎛。

デンプン6%のときの糊化開始温度は68.0℃。最高粘度は510BU。

デンプン7%のときのゲルの状態は、強い粘着力がある。液体は透明。

わらび餅にも使用されている。

くず

くず粉

葛粉と呼ばれている。

粒の大きさは、30㎛。

デンプン6%のときの糊化開始温度は66.2℃。
最高粘度は450BU。


デンプン7%のときのゲルの状態は、弾力性があり、かたい。液体は透明。

ゴマ豆腐

葛湯、葛きり、ゴマ豆腐など、
その性質を活かした料理に使用されている。






キャッサバ

タピオカパール
タピオカパール

タピオカデンプンと呼ばれている。

粒の大きさは、4~35㎛。

デンプン6%のときの糊化開始温度は62.8℃。
最高粘度は750BU。


タピオカミルクティ

デンプン7%のときのゲルの状態は、強い粘着力がある。液体は透明。

台湾発祥のタピオカミルクティなどに入っているタピオカはタピオカパールと呼ばれ、このタピオカデンプンが原料となっている。

作り方は、着色し、糊化させたタピオカを容器に入れて、回転させて球状にし、雪だるま式に大きくしていき、乾燥させる。

乾燥した状態で5㎜以上のタピオカを戻すのに、2時間以上の時間が必要になります。




本サイトにご訪問&記事をお読みくださり、ありがとうございます。


この記事では、料理日和がこれから料理を楽しみたい方、既に料理を楽しんでいる方のために、さらに料理が好きになり、楽しんでいただきたいと思い、食材や料理、栄養・健康などの情報を提供させていただいております。

料理日和とは、北海道札幌市にある料理教室です。
料理をするのが楽しくなり、家庭的で季節や行事にこだわってつくられる料理のレシピや食に関わる情報を提供しています。マンツーマンレッスンを中心に少人数制でレッスンをしていますので、初心者さんも安心してご参加いただけます。
若干、北海道目線で記しておりますので、一般的で無い食材や目安の分量なども存在するかもしれません。

今後ともお読みいただいたり、何かのお役に立てますと嬉しいです。


参考・引用文献
新調理学 光生館
お菓子「こつ」の化学 柴田書店