お餅がプクーッと膨らむ理由

焼き餅

お餅とは?

お餅って何ですか?っていきなり聞かれると思わず答えにつまります・・・。
すごく身近で当たり前のようにある食べもののひとつですよね。

お餅は、もち米を水に浸けて、せいろなどで蒸し、充分に糊化(でんぷんに熱湯を加えることで糊状になること。)したものを搗いて粘りを出した加工品のことをいいます。

良い餅・悪い餅??

つきたての餅

良いお餅とは、

もち米がペースト状になっている部分があればいいのではなく、もち米の粒状の組織が適当な割合で残っている必要があります。

つまり、もちを搗くときに(もち米から餅を加工する工程の中で)搗きすぎてはいけないということなんですね。
また、水分が多すぎてもいけないのです。

ご自分で餅つきをした経験がある方は、水を入れすぎたり、もちを搗きすぎるとやわらかくベロベロになりすぎてしまい、失敗したことがある方もいるかもしれません。

よいお米を選ぶことも大事ですが、自分で搗く場合に、もっとも気にしなければならないのは、もちの搗き加減だということがわかります。当たり前のようですが・・・。
それほど、お餅の食感て大切だし唯一無二のものかもしれません。

お餅がプクーッと膨らむ理由

焼き餅

お餅を焼くと、あんなにかたかったのにプクーッと膨らんできますね!

お餅を焼く楽しさがあります!!見ているだけで楽しい。焼き上がりが楽しみ。ケーキ焼いているのと同じくらい楽しい!!

お餅がプクーッと膨らむ理由は、お餅に含まれる水分が熱で暖められて水蒸気になります。お餅の中の水蒸気が増えていき、お餅がプクーッと膨らみます。

膨らむ前に焦げる!?

お餅焼く

ところで、お餅をいざ、焼いてみてもなかなか膨らまず、やわらかくならず、表面が焦げてしまうことがあります。

市販の切り餅ではあまりありませんが、自分で搗いたお餅や、搗いたお餅を購入した場合などに、中までやわらかくなっていないことってありませんか!?

その理由は、表面の温度が高すぎる。お餅に含まれる水分が少ない。お餅が厚すぎて(大きすぎて)中の水分が温まる前に表面に火が入ってしまう。などがあります。


ホイルでお餅を包む、お餅を小さく切ってから焼く、最初は弱火で焼く、霧吹きなどで水分を表面にかけるなどがオススメですが、小さく切ってから焼くと比較的失敗が少ないですよ。

お餅がかたくなる理由

搗きたてのお餅はやわらかい。

でも搗いてしばらくするとかたくなる。

個包装になった切り餅はかたい。

切り餅を焼くとやわらかくなる。

食べずにその切り餅を置いておくとかたくなる。

焼いたらやわらかくなる。

これは、お餅に含まれるデンプンの性質によります。

デンプンには、αデンプンβデンプンとがあり、もち米の状態ではβデデンプンという形で存在しています。

βデンプンは、かたくて消化しにくいため、そのままで食べることができません。

しかし、水を加えて加熱をするとβデンプンはαデンプンにかわります。お餅にはβデンプンが変化したαデンプンが含まれています。

αデンプンはやわらかく消化されやすく、お餅として食べることができます。

しかし、焼いて食べずに、お餅を搗いて食べずにそのままおいておくとまたかたくなってしまいます。あんなにやわらかかったのに!

その理由は、αデンプンが再びβデンプンに変わるからなのです。

しかし・・・、加熱することでまたαデンプンになるからご安心を!

搗いたお餅を食べずに、そのままにしておく(というか、後で食べようととっておく)と、一旦かたくなりますが、お餅を焼いて食べるとやわらかく膨らんでくれますね~。

ありがとう!お餅!

餅の保存方法

ちなみにでんぷんの β化を早めるのは(お餅をかたくするのは)、水分が30~60%で、温度が0~4℃程度という条件のとき。

餅の水分含有量は一般的に45%程度のため、お餅をそのまま冷蔵庫に入れてしまうと、すぐにかたくなります。

そのため、今日はまだ食べそう!ということであれば、室温に出しておいてもいいですし(カビに注意)、しばらく食べなさそうということであれば、冷凍してしまったほうが餅の美味しさをキープできます。

また、甘いお餅として食べるのであれば、砂糖を加えて保水力を維持しておくのも一つの方法です。

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参考・引用文献
お菓子「こつ」の科学 柴田書店
日本食品標準成分表2015年版(七訂)
新調理学 光生館