生クリームの特徴
100%ピュアなクリーム

ケーキのデコレーションに欠かせない生クリームですが、スーパーにクリームを買いに行くと、動物性の生クリームと植物性クリームがあるのに気づきます。
価格がぜんぜん違うし、植物性の方が体にいいのかしら?などとギモンがわきますが、実際はどうなのでしょうか?
ということで、今回は動物性の生クリームについてお伝えします。
動物性の生クリーム
原材料と種類
原材料は、100%生乳又は牛乳であり、種類はクリーム(乳製品)に分類されます。
製造方法
原料乳を遠心分離機にかけて、乳脂肪を濃縮してつくられます。
濃縮されてできた生クリームは殺菌、冷却、熟成という工程を経てから、出荷されます。
安定剤や保存料などの入っていない生クリームは、賞味期限が比較的短いのが特徴です。
クリーム本来のコクや旨味を感じることができます。
成分規格
厚生労働省から出されている「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」では、下記の通り成分規格が決められています。
「クリーム」とは、生乳、牛乳又は特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去したものをいう。
クリーム(生クリームは)、生乳や牛乳などの原料以外は入れてはいけないんです。
ピュアなんですねぇ。乳100%なんです。
他にも、乳脂肪分は18.0%以上、 酸度(乳酸として)0.20%以下、細菌数(標準平板培養法で1ml当たり)100,000以下、大腸菌群 陰性 などが定められています。
クリームの脂肪分
乳脂肪分が18%以上とのことですが、市販されている生クリームの脂肪分は何%かご存知でしょうか?
乳脂肪47%~35%の商品が一般的です。
乳脂肪分が高いとホイップしやすくなり、乳脂肪分が低いと泡立ちにくいのですが、味が軽めになります。
乳脂肪分が18%以上というざっくりとした基準を定めているのは、実は日本だけで、アメリカやヨーロッパをみてみるともう少し細かく分類されています。
各国のクリームの規格
アメリカ
ライトクリーム 乳脂肪18~30%
ライトホイッピングクリーム 乳脂肪30~36%
ヘビークリーム 乳脂肪36%
イギリス
シングルクリーム 乳脂肪12%以上
ホイッピングクリーム 乳脂肪35%以上
ダブルクリーム 乳脂肪48%以上
クロテッドクリーム 乳脂肪55%以上
ドイツ
コーヒー用クリーム 乳脂肪分 10%以上
ホップクリーム 乳脂肪分28%以上
フランス
クレームサンブル 乳脂肪分 10~20%
クレームドゥーブル 乳脂肪分30%以上
どうして乳脂肪分が違うクリームができるのでしょうか?
乳脂肪は遠心力のかけ方により様々な濃度のクリームを製造できるのだそうです。
ちなみに、軽めのクリームが欲しいけど、47%のクリームしか無いときは、牛乳を加えて乳脂肪の量を調整することもできます。
日本の七訂食品成分表では・・・
食品成分表では、
乳類〈牛乳及び乳製品〉(クリーム類)には、
クリームとホイップクリーム、コーヒーホワイトナーが掲載されています。
コーヒーホワイトナーはちょっとおいといて・・・、
食品成分表にあるクリームとホイップクリームは何が違うのでしょうか?
ここまでこの記事を読んできた流れを考えるとクリームの脂肪の量?と思いがちですが、
クリームは「高脂肪タイプの製品」で
ホイップクリームは、「「クリーム」にグラニュー糖を添加し、十分に泡立てたものである。グラニュー糖を15 %添加したものを試料とした」のだそうです。
砂糖が入っているかいないかの違いでした~!

生クリームの価格
生クリームが他のクリームと比べて価格が高いのには理由があります。
生クリームは、牛乳100%でできており、乳脂肪が47%とか35%などの商品が多くあります。
牛乳の乳脂肪は4.4%程度。
わかりやすくするために、
生クリームの乳脂肪を40%、牛乳の乳脂肪を4%として考えると、
生クリームを200mlつくるためには、2ℓ(2000ml)の牛乳が必要になるわけです。
そりゃあ、原料が高くなります。しかも牛乳よりも賞味期限が短い。
大切に余すところなく使いたいものです。

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参考・引用文献
お菓子「こつ」の科学 柴田書店
日本食品標準成分表2015年版(七訂)
厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=78333000&dataType=0
「第2章 日本食品標準成分表 Excel(日本語版)」(文部科学省) (http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365420.htm)