牛乳が苦手な理由と乳糖の量

「牛乳を飲むとお腹の調子が悪くなってしまう」、「大人になってから牛乳が苦手になった」という方がいらっしゃいます。

また、「昨日は大丈夫だったのに、今日は牛乳を飲んだらお腹が痛くなってしまった」とか、「温かくしてもダメ」という方がいる中で「温かくしたら大丈夫」、「ヨーグルトは食べられる」という方も。

料理教室で、アレルギーの有無を確認するとこのようなお返事をいただくことがあります。

牛乳を飲んでお腹の調子が悪くなってしまうとき、「牛乳アレルギー」又は「乳糖不耐症」という原因が考えられます。

牛乳アレルギー

アレルギー食品

「牛乳アレルギー」は、卵や大豆、米、小麦とともに五大アレルゲンといわれ、食べものを摂取した後にアレルギー反応が起こり、腹痛や下痢だけでなく、呼吸困難、アナフィラキシーショックなどの症状が出る場合があります。

牛乳に含まれるたんぱく質が原因ですが、乳児期に発症した場合は、年月を経て、自然に良くなっていくことが多いとされています。

乳糖不耐症

「乳糖不耐症」は、牛乳の中に含まれている乳糖(ラクトース)を分解する酵素が不足することが原因です。

※乳糖とは、動物の乳に含まれている糖質で、牛や山羊などのミルクはもちろん、母乳にも含まれています。

乳糖を消化するには、ラクターゼという乳糖分解酵素が必要になります。

お腹の中に入った牛乳の中に含まれる乳糖は、ラクターゼによって分解され、吸収されます。

そのため、ラクターゼが十分に働いている人は、消化、吸収されるため、お腹の調子が悪くなりません。

赤ちゃんのころは母乳を消化するため、子どものころは牛乳を飲む機会が比較的多いので、ラクターゼが活発に働いていました。

しかし、大人になってから牛乳や乳製品を摂取する機会が減るなどして、ラクターゼの分泌が減って、牛乳を飲んでも、ラクターゼが十分に働いてくれない(分泌されない)ため、乳糖が消化されず、お腹の調子が悪くなってしまうのです。

牛乳を飲んでも大丈夫なときもあるんだけど!?


乳糖不耐症の症状は人によって違うため、「昨日は大丈夫だったのに、今日は牛乳を飲んだらお腹が痛くなってしまった」というときは、牛乳の摂取量が多いため、ラクターゼの分泌が間に合っていないので、日にちを空けて摂取していただくといいかもしれません。


「温かくしたら大丈夫」な場合は、体温に近いとラクターゼの活性が上がるため、消化しやすくなっているともいわれています。(牛乳に限らず、冷たい飲みものや食べものを一気にとると、胃腸の負担が増えます。)

ヨーグルト


「ヨーグルトは食べられる」という場合は、ヨーグルトの原料は生乳(牛乳)なので、乳糖は存在していますが、ヨーグルトをつくる際の乳酸発酵により、牛乳に比べて乳糖の量が減っているため、摂取する乳糖が少ないことも考えられます。


下の表は、主な乳や乳製品に含まれる乳糖の量です。

乳糖の量

母乳には乳糖がたくさん含まれているんですね。

牛乳アレルギーと乳糖不耐症は違います

牛乳アレルギーは、牛乳、乳製品を摂取して、消化吸収されることにより、牛乳に含まれるアレルゲン物質反応することが原因となります。(消化される)

乳糖不耐症は、牛乳、乳製品を摂取しても、乳糖が消化されないことからお腹の調子が悪くなります。(消化されない)

牛乳アレルギーか乳糖不耐症か迷われたときや重い症状が出る場合は医療機関に相談しましょう。
ご自身で判断せずにお願いします。

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若干、北海道目線で記しておりますので、一般的で無い食材や目安の分量なども存在するかもしれません。

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参考・引用文献
お菓子「こつ」の科学 柴田書店
日本食品標準成分表2015年版(七訂)