牛乳と生乳の違い
牛乳や乳製品は、カルシウムを多く含んでおり、健康のために利用されている方も多い食品のひとつです。
また、乳製品といっても生クリームやチーズ、バターなどいろいろな種類があって楽しいですよね。
ところで、「生乳」という言葉を聞いたことがありますか?
生乳とは
生乳とは、乳牛からしぼった乳のことをいいます。
何も加工していない、しぼったままの牛の乳です。
牛乳とは
牛の乳なら、牛乳なのでは?というギモンが沸いてきますね。
牛乳は、生乳をろ過、均質化(ホモゲナイズ)、殺菌、冷却してから飲用できるようにしたものをいいます。
なぜ、生乳を牛乳にするのか?
牧場で搾りたての牛乳を飲めるのであればいいのですが、生乳には、目に見えない雑菌が混入しており、そのまま置いておくと腐ってしまいます。
もっとも、牛乳の飲用に関しては、成分値と細菌数が食品衛生法で決まっています。
その定められている規格に基づいたものでないと、一般に流通することができません。
生乳を牛乳にする理由は、その食品衛生法の規格に基づく成分値と細菌数にするためだったんですね。
均質化(ホモゲナイズ)
生乳を牛乳にするときに、均質化(ホモゲナイズ)という工程を経ますが、何を「均質化」しているのでしょうか?
乳の中には、「乳脂肪」が含まれており、この「乳脂肪」は細かい粒子の形で存在しています。
この粒子状の乳脂肪を「脂肪球」というのですが、生乳の場合、脂肪球は大きいものもあれば、小さいものもあるなど、様々な大きさで存在しています。
(ちなみに直径0.1ミクロン~10ミクロンの大きさ。)
生乳をそのまま放置しておくと、大きい脂肪球が浮かんできてクリームを作ってしまうという性質があります。
そこで、この脂肪球を機械的に砕き、1ミクロン以下の大きさに加工することで、置いておいてもクリームが浮かんでこない状態にしています。
この乳脂肪を一定の大きさにすることを均質化(ホモゲナイズ)といいます。
殺菌
生乳を牛乳にするときに経る工程で欠かせないのが、殺菌です。
殺菌する理由は、牛乳パック(容器)に詰めたときに含まれる生菌数(雑菌)が食品衛生法の基準以下にしなくてはならないからです。
殺菌にもいろいろな種類があるのをご存知でしょうか?
殺菌方法によって、味や風味が変わります。また、賞味期限も変わります。
低温保持殺菌法
62℃~65℃で30分加熱
加熱温度が低いので、牛乳の風味が残りやすいといわれています。
賞味期限が短く、価格が高めです。
高温短時間殺菌法
72℃~75℃で15秒加熱
市販で最近、見かけないな~。というのが正直なところです。
お取り寄せ牛乳とかだとあるのかもしれませんね。
超高温瞬間殺菌法
120℃~140℃で1~3秒加熱
殺菌効果が高いため、低温保持殺菌法に比べて、賞味期限が長い、というか一般的な牛乳の賞味期限なのだと思います。
ほとんどの牛乳はこの方法で殺菌されていて、流通している9割はこの方法です。
加熱温度が高いため風味が損なわれるといわれています。
殺菌法で牛乳を選ぶなら?
お料理やお菓子づくりにつかう場合は、どの殺菌方法の牛乳を選ぶと良いでしょうか?
加熱してしまう場合は、超高温瞬間殺菌法で充分なのかな~?とも思いますが、沸騰させないのであれば、風味を楽しむためにもこだわった牛乳を選びたいものです。
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参考・引用文献
お菓子「こつ」の科学 柴田書店
製菓衛生師全書 日本菓子教育センター