原料と作り方の違いでかわる お酢の種類

お酢といっても、普通のスーパーに並んでいるお酢から、輸入食料品店に売っているちょっとお値段の高いバルサミコ酢など、いろいろなお酢があります。

原料の違いでしょうか?
でも、同じバルサミコ酢でもお値段が全然違うものがありますよね。
同じお酢なのに何が違うのでしょうか?

お酢

お酢の製造方法

お酢の製造方法は、

原料をアルコール発酵させて、酒の状態にし、そこに種酢を加えて酢酸発酵させます。

熟成させて、酸味をまろやかにしてから殺菌して仕上げられます。

お酢の製造方法の違い

値段も安いものから高価なものまで様々ですが、その違いはなんでしょうか。

伝統的製法

伝統的な作り方をしているメーカーは、原料となる穀類や果物から酒を造ります。
その酒を酢にするために発酵してつくります。

安定した大量生産が可能

一方、原料となる穀類などから酒を造るという工程を省いた量産タイプのお酢もあります。

これは、原料にアルコール(サトウキビやタピオカからつくられる蒸留酒)を加えることで、手間やコストを省き、買いやすい価格で販売されています。

お酢の発酵方法

お酢にするための発酵法にも違いがあり、静置発酵法、連続法があります。

静置発酵法は、そのままおいて自然に発酵させるため管理も難しくなり、お酢ができあがるまでは、数ヶ月間かかります。

連続法は通気法とも呼ばれ、攪拌して発酵を進めることにより、1週間以内にお酢ができるため、効率を重視した安定的な大量生産ができます。

いろいろなお酢の種類

穀物酢 

小麦、米、とうもろこしなどを混ぜ合わせています。

2種類以上の穀物を使用している。

米酢

静置発酵法でつくられた純米酢

米にアルコールを加えて造られる。(大量生産)

米に米麹と水を加えて糖化させ、酵母を加えてアルコール発酵させて酒を造ります。
そこに種酢を加えて表面に食酢菌膜を植え、酢酸発酵させて造ります。(伝統的製法)

米だけを原料にしているものは、純米酢といわれています。

玄米酢

米酢の一種ですが、原料が玄米です。

玄米と麹を比較的長期間寝かせて発酵させる。

粕酢

酒粕に含まれるデンプンをアルコールにして、水を加えて酢酸発酵させています。

黒酢

米や玄米、大麦を原料として、長期間熟成発酵させた酢。

麹菌の働きで熟成とともに琥珀色になっている。

飲用にも用いられる。

もろみ酢

泡盛を蒸留した際に麹から出るもろみを原料にしたお酢。

香醋

もち米を原料にして熟成させてつくる中国のお酢。

果実酢

名前のとおり、果物を原料としています。

飲用向けにはちみつなどを添加させてあるものがある。

ワインビネガー

ぶどうの果汁から造られたお酢。

赤ワインビネガー、白ワインビネガーがある。風味や色が違うので用途に応じて使い分けます。

ワインビネガーもこの後ご紹介するバルサミコ酢もぶどうから出来るという点では同じです。
製造方法による違いは、
ワインビネガーは、ワインにしてからで酢酸発酵させているのに対し、
バルサミコ酢は、ぶどうを煮詰めて酢酸発酵させているという違いがあります。

バルサミコ酢

バルサミコ

北イタリアのエミリア・ロマーニャ州、モデナ地方で取れるトレビアーノ種のぶどうを絞り、その果汁を漉した液を煮詰めます。ワインヴィネガーを加えて発酵させます。これを木樽で発酵させます。

イタリアの伝統的なバルサミコ酢は、木樽で12年以上長期間発酵すること、ぶどうの種類や瓶詰めの仕方もイタリアの法律で決まっています。製造方法は法律で守られ、手間がかかっているんですね~。

伝統的製法でつくられたバルサミコ酢は、高価であるため、熟成期間が短い、カラメルの添加が認められているなどの条件が認められているバルサミコ酢もありますが、原料のぶどうの産地や酸度、糖度などに規定があります。


梅酢

梅干しを漬けたときに出るお酢。塩分が多く、梅の風味があります。

柿酢

柿の果汁と氷砂糖をアルコール発酵させてから、酢酸発酵させてつくられます。

りんご酢

リンゴ酢

甘みをつけて飲用とされたり、マリネやサラダなどに用いられます。

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参考・引用文献
素材よろこぶ調味料の便利帳 高橋書店