歴史が違えば、しょうゆも違っていた!?

日本人の食卓には欠かせないしょうゆ。
何にでも使える万能調味料です。
しょうゆの原材料と種類
しょうゆの原料は、大豆、小麦、塩が主なものです。
JAS規格では、原料の配合割合、発酵、熟成度合いによって種類が分かれています。
濃口しょうゆ(こいくちしょうゆ)
使用する大豆と小麦の量は同量。
レシピに「しょうゆ」とあると、濃口しょうゆを指すことが多い。
赤褐色で香りが高く、煮物や焼き物などの加熱料理の他、刺身などをつけたり、おひたしにかけて使われる。
薄口しょうゆ(うすくちしょうゆ)
主に関西地方で使われている色の薄いしょうゆ。
濃口よりも発酵度合いや熟成期間を抑えて作られています。
色が薄く、香りも抑えられているので、フキやタケノコなど、淡い色を活かした炊き合わせや含め煮、お吸い物など素材の持ち味を生かす料理に使われています。
塩分は濃口しょうゆに比べて2%ほど高いのが特徴で、少量でも味がつくことが特徴です。
たまりしょうゆ
小麦をほとんど加えずに大豆で作られます。
他のしょうゆに比べてとろみが感じられ、色や味も濃いのが特徴です。
お刺身に用いられることも多い。
中部地方での生産が盛んです。
再仕込みしょうゆ
二回醸造するような製法なので、再仕込みといわれます。
つまり、生のしょうゆにさらに麹を仕込んで造ります。
かくし味としても使われ、色や味が濃く、刺身しょうゆ、甘露しょうゆなどとも呼ばれているところがあります。
白しょうゆ
原料にしめる小麦の割合が多く、大豆はごくわずかです。
発酵を抑え、短期間で熟成されます。
薄口しょうゆよりも色が薄く、淡い黄色っぽい色が特徴です。
お吸い物や茶碗蒸しなど、色をつけたくない料理にしようされます。
ちなみに、他のしょうゆと比べて糖分が高い。
しょうゆの歴史
現在のしょうゆのようなものは、鎌倉時代に造られるようになりました。
みその造り方が中国から伝わったときに、みそを製造するときにできる上澄み液や桶の底にたまった液体がはじまりとされています。
室町時代になると「しょうゆ」という言葉が生まれ、戦国時代には庶民のあいだでも広まりました。
それからしばらくして、江戸時代の初めになって、本格的な製造が始まります。
もともとは、関西の淡口しょうゆが一般的でしたが、政治の中心が江戸になってから、濃口しょうゆが流行となりました。
さらに江戸では、独身者の男性が多く、働き盛りであるため、外食が増え、そば、蒲焼き、天ぷら、にぎり寿司など濃口しょうゆが無くてはならないものとなっていきます。


しょうゆの産地として有名な千葉県の野田や銚子は川沿いにあり、しょうゆの原料を運びやすく気候も適していることからしょうゆ造りが盛んになりました。
大政奉還がされず、政治の中心が江戸に移らなければ、現在の濃口しょうゆの発展はなかったかもしれないですね。
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参考・引用文献
素材よろこぶ調味料の便利帳 高橋書店