生クリームと卵白 泡立つ理由

泡立て器

お菓子作りに欠かせない生クリームや卵。

この2つの共通点は、ズバリ「泡立て」ですね。

しかし、生クリームと卵白が泡立つしくみは全然違ったりするのです。

「泡立て=空気を取り込む」という結果は共通しています。

生クリームの中に空気が取り入れられる。

卵白の中に空気が取り入れられる。という点では、共通しています!

生クリーム

生クリーム

生クリームが泡立つのは、生クリームに含まれる乳脂肪に関係があります。

乳脂肪は、普段は「脂肪球膜」という乳脂肪の周囲を取り囲み、保護している皮膜に被われています。

脂肪球膜は乳化作用もあるため、水分から分離せずに、生クリームの中で脂肪球という細かい粒子状で存在しています。

ホイッパーなどで生クリームを泡立てると、この脂肪球同士がぶつかり合い、その衝撃で脂肪球膜が崩れてしまい、その崩れたところに脂肪球同士がくっつきます。このときの生クリームはとろみがついている状態です。

さらに泡立てることにより、脂肪球同士がどんどん繋がっていき、気泡を取り囲んだ網目構造になります。

気泡が脂肪球に取り囲まれることで、ふわっとしながらも液体状ではなくホイップされた状態になっていきます。

液体のときの生クリームに比べて、ホイップした生クリームの体積が大きいのは気泡を取り囲んだためです。

ところが泡立て続けていると、または泡立ってから触ると、どんどんかたくなるので注意が必要です。バサバサになってしまい口当たりが悪くなります。ずっと泡立てを続けると脂肪分がその他の成分から分離してバターになってしまいます。

生クリームが泡立つのは、乳脂肪が特殊な形で存在しているからなんですね。

卵白

メレンゲお菓子

泡立て器などで、卵白を攪拌していくとしだいに空気が取り込まれ泡立ってきます。

その理由は、卵白に含まれるたんぱく質のおかげ。

たんぱく質は表面張力を弱くする働きがあるため、たくさん空気を取り込むことができ、泡立つことができます。

※表面張力とは、液体状のものの表面を小さくしようとする力のことです。

表面張力が弱いほど、泡立ちやすくなります。

泡立て始めの卵白は、泡は大きくやわらかいのが特徴ですよね。

しかし、続けて泡立てている泡は小さくなってきて、泡立てた卵白(メレンゲ)はしっかりかたくなってきます。

泡立ちやすい作用だけでは、しっかりとしたメレンゲにはなりません。

かたくなる理由は、卵白に含まれるたんぱく質の6割を占める「オボアルブミン」。

空気に触れることで変性し膜状にかたくなる作用があるため、気泡を安定させることができるんです。

しかしメレンゲも泡立て過ぎには要注意!

たんぱく質と水分が分離してしまい、気泡が崩れやすくなってしまいますよー。

お菓子作りっていっぱい泡立てがあるなー。

デコレーションケーキ

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参考・引用文献
お菓子「こつ」の科学 柴田書店