栄養事典 ビタミン編 ビタミンC

ビタミンC

抗酸化サラダ

ビタミンCは、ヒトの体内で、皮膚や細胞のコラーゲンを生成したり、抗酸化作用物質として、活性酸素を消去して細胞を保護するなどの働きがあります。

ビタミンCは、ヒトの体内でつくることができないため、野菜や果物などの食品から摂取しなければなりません。

1日に必要なビタミンCの推奨量は、成人で100mgとされています。
妊婦さんで、110mg、授乳婦さんで150mgの摂取を推奨されています。

たばこを吸う人は、吸わない人に比べてビタミンCの必要性が高く、受動喫煙にさらされている人もビタミンCの必要性は高まります。たばこを吸わない人に比べて1日に35mg多くビタミンCが必要になります。

アルコールをたくさん飲む人もビタミンCの必要は高まるといわれています。

ストレスによってもビタミンCの必要量は増えるともいわれています。

2017年のビタミンCの平均摂取状況は、
サプリメント等を除く通常の食品で、1日に男性で平均90 mg、女性で平均97 mg摂取していました。

日々の野菜や果物を食べる量をもう少し増やしても良さそうですね。

ビタミンCが足りないとどうなる?多すぎるとどうなる?

ビタミンCが不足してしまうと、

コラーゲンをつくることができなくなり、血管がもろくなるため、出血傾向、歯肉炎、貧血、全身倦怠感などの症状があられます。

他にも野菜や果物をとる機会が極端に少ない人は、ビタミンCが不足しやすくなります。

ビタミンCを摂り過ぎると、

吐き気、腹痛、下痢など、胃腸に影響があります。
しかし日本人の食事摂取基準2015年版によると、通常の食品を摂取している人で、ビタミンCの摂り過ぎによる健康障害の報告は見当たらないとのことです。

健康な人であれば、通常の食品からビタミンCを摂り過ぎても、吸収されなかったものは、尿として体の外に出るため、摂取量の耐容上限量は設けられていませんが、サプリメント類から1日1000mg以上の量を摂取することは奨められないとされています。

ビタミンCはどんな食べ物に含まれているの?

ビタミンCが多く含まれる食品は、下記の通りです。
上から100g当たりに含まれるビタミンCの多い順に並んでいます。

可食部1個当たりのビタミンCの量を併記しました。
いちごやブロッコリーなど、使う量により、表の記載よりも多くビタミンCを摂取できる食品もありますね。
ゆずの皮やパセリなどたくさん食べるには少し大変な食品もありますが、いろいろ組み合わせて食べるのも楽しいかもしれません。

食品名 100g当たりの
mg
1個あたりの
mg
備考
赤ピーマン(パプリカ) 170 238 1個 150g
黄ピーマン(パプリカ) 150 210 1個 150g
ゆず(果皮) 150 37 1個分の皮のみ25g
アセロラジュース 120 240 200ml 1パック
パセリ 120 24 1束 20g
芽きゃべつ 110 22 1個 20g
レモン(皮付き) 100 60 1個 60g
ピーマン 76 42 1個 55g
ゴーヤ 76 152 1個 200g
70 112 1個 160g
キウイフルーツ 69 69 1個 100g
赤キャベツ 68 136 1/4個分
モロヘイヤ 65 65 1束 100g
いちご 62 9 1個 15g
ししとうがらし 57 3 1個 5g
水菜 55 17 1茎 30g
ブロッコリー 54 8 1房 15g
レモン(果汁) 50 8 大さじ1 15g
パパイヤ 50 180 1個 360g
きんかん 49 9 1個 18g
かぶの葉 47 7 1個 15g

ビタミンCの吸収

ビタミンCは、消化管(胃や腸など)で吸収されて、血中に送られます。消化の過程は、食べる食品によってかわり、食べ合わせによっても違ってきます。

また、サプリメントから摂取したビタミンCも食べ物から摂取したビタミンCも1日に200mgまでは、90%が吸収され、1000mg以上になると50%以下になります。

ビタミンCの効果的なとり方

吸収されなかったビタミンCの排泄は 2 時間位で起こり、3~4 時間で最大となるため、一度に摂ってしまうよりも小まめに摂ることが大切です。

果物にはビタミンCが多く含まれていますが、糖分も多めに含まれていることやこまめにビタミンCをとった方がいいことを考えると、できればその都度の食事で野菜をとる方が効果的といえるかもしれません。

でもあまり面倒になってしまうと、サプリメントでイイか!となってしまうので無理の無い範囲で意識していきたいものです。

ペットボトル飲料のビタミンC 

ところで、ペットボトルのお茶やジュースの原材料表示欄に、ビタミンCと記載されいているのをよく見かけます。

ペットボトルビタミンC

赤い線で囲った部分、見えますか?
某飲料の原材料名の最後に、酸化防止剤(ビタミンC)と記載されています。

これは、ビタミンCを栄養として強化するために添加しているというよりも、酸化防止剤として使われています。酸化が進むと、色の変化や風味の悪化につながるだけでなく、酸化によって生じた過酸化物質のせいで腹痛などを引き起こす場合もあります。ビタミンCを添加することにより、ビタミンC自体がお茶やジュースに代わって酸化されてくれるので、お茶やジュースの酸化を防ぐ役割があるんですね。





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参考・引用文献 
七訂食品成分表 女子栄養大学出版部
日本人の食事摂取基準 第一出版
新調理学 光生館
エビデンスに基づくハーブ&サプリメント事典 南江堂
調理のためのベーシックデータ