栄養事典 ミネラル編 ナトリウム②

ナトリウム

食塩

ナトリウムは、食塩(塩化ナトリウム)として摂取され、摂りすぎると高血圧やがんなどの病気につながるため、嫌われがちな栄養素です。
しかし、細胞外液の浸透圧を維持するのに重要な役割があり、血液の循環に大きく関わっています

また、胆汁、膵液、腸液などの材料にもなっています。

健康な人が不足することは、めったにありませんが、血尿剤を使用したり、下痢が続いていて、多量にナトリウムが排泄されると、不足しやすくなり、倦怠感、食欲低下につながります。

1日に必要な食塩の量

1日に必要なナトリウムの量は、600mgで、食塩に換算すると1.5gとなっています。

1.5gというと、

みそ汁大盛り1杯、又は塩鮭(辛口)1切れ、又は6枚切りの食パン2枚分  です。


下の表は、ナトリウムの食事摂取基準です。

ナトリウム量

食塩は、まだ摂りすぎている

2017年の食塩相当量の平均摂取状況は、

1日に20歳以上の男性で平均10.8g、女性で平均9.8g摂取していました。

目標量は男性で9.0g未満、女性で7.5g未満なので、1日に2g程、摂りすぎています。

しかし、2007年の食塩摂取量は、
男性 12g、女性 10.3g だったので、
この10年で減ってきています。

それなのに、まだ減らさなければならないのは、理由があります。

食塩摂取量を減らす理由

日本を始めとする、各国のガイドラインを考慮すると、

高血圧の予防、治療のためには、

1日6g未満

の食塩摂取量が望ましいとされています。

また、WHO(世界保健機関)のガイドラインでは、1日5g未満と強く推奨されています。

しかし、日本人の現状からかけ離れているため、実行の可能性が低いとして、
2015年版の食事摂取基準では、


男性で9.0g未満、女性で7.5g未満

と、設定されました。
食事摂取基準が、2020年に改訂されるときは、

高血圧予防の観点から、食塩摂取量の基準が、低めに見直されることが検討されています。

ナトリウム(食塩)が多すぎると?

高血圧になります。

高血圧の何が問題かというと、めまいや肩こりなども高血圧の自覚症状として知られますが、


何よりも、

高血圧状態を長い間、放っておくと動脈硬化を招き、
脳卒中などの脳血管疾患や心臓病、腎疾患など多くの病気を引き起こしやすくなります。

これらの病気は、命に関わるため、まずは、高血圧にならないように塩分を控えて、予防することが大切です。

塩分が気になる食品に含まれる塩分量

塩分は、特にインスタント食品などの加工食品に多く含まれています。

カップ麺やインスタントラーメンは、商品によっても違いますが、
1個食べると、5g~7gの塩分をとれてしまうので、血圧が気になる方は、控えた方がよい食品になります。

他にも、梅干しや漬けもの、塩蔵品の魚介類にも多いです。


食品に含まれる塩分

みそ汁は血圧を下げる!?

味噌汁には、1杯で、1g~1.5gの塩分が含まれています。

塩分を摂取すると、当然、血圧の上昇が気になるところですが、


共立女子大学家政学部食物栄養学科の研究で、
みそ汁の摂取頻度と血圧の上昇にはあまり関連性がないことが、
2013年の第36回日本高血圧学会で、報告されました。


減塩には家庭での手作りの料理を

家庭でつくった料理は、塩分がどのくらい入っているかを見ることができます。

しかし、外食もそうですが、お総菜も味を良くするために、塩分を多く使っていたりする場合も多いです。

高血圧予防のためには、何よりも家庭での料理と食事がおすすめですね~。

けんちんじる

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参考・引用文献
日本人の食事摂取基準 第一出版 
共立女子大学教授・上原誉志夫先生 第36回日本高血圧学会報告リリース

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