打ち粉に使うのは強力粉?薄力粉?
パンをこねたり、パイ生地をのばしたり、クッキーの型抜きをしたりと「打ち粉」を使う作業って多いですよね。
打ち粉とは?
ところで「打ち粉」には、どんな粉を使っていますか?
そもそも「打ち粉」とは、パン生地やお菓子の生地が作業台にくっつくのを防ぐために、台の上にまく粉のことです。
そのため、サラサラしている粉が適しています。
くっつくのを防がなければならないのに、ダマになったり、べたべたしていてはよくないです。
強力粉と薄力粉では、どちらが適しているでしょうか?
どちらがサラサラしているでしょうか。
答えは強力粉です。
つまり、打ち粉には強力粉が適しています。
強力粉がサラサラしている理由
小麦から小麦粉へ
小麦粉は小麦の胚乳部分を製粉したものですが、この製粉のときに小麦の細胞が壊されて、粉状になります。
小麦粉を細胞レベルでみてみると、デンプン粒、たんぱく質、たんぱく質でおおわれたデンプン粒などが存在していますが、これらの粒の大きさは小粒から大粒まで様々なものがあります。
たんぱく質でおおわれたデンプン粒は、比較的大きいのが特徴です。
デンプン粒の場合、小さいものが5ミクロン程度、比較的大きいものが20~40ミクロンなのに対し、たんぱく質でおおわれたデンプン粒は100ミクロン以上の大きさのものがあります。(小さい粒もあり。)
強力粉と薄力粉の違い
強力粉は、硬質小麦という種類のたんぱく質の含有量が多い小麦からとれる小麦粉です。
硬質小麦は細胞質(たんぱく質)が硬く、デンプン粒と密着しており小麦粉にしたときに細胞の破片が大きくなります。
薄力粉は、軟質小麦という種類のたんぱく質の含有量が少ない小麦粉からとれる小麦粉で、軟質小麦の細胞質はやわらかくデンプン粒と離れやすいため細胞の破片が小さいのが特徴です。
そのため、
強力粉は粒のひとつひとつが大きいのでサラサラ
薄力粉は粒のひとつひとつが細かいのでしっとり
と、なります。
強力粉がサラサラしている理由
強力粉がサラサラしているのは、粉の粒が大きいためだったんですね。
さらに、粒が大きい理由はたんぱく質が多いからだったのです!
もっとサラサラしている小麦粉!?
ところでデュラム小麦といって、パスタに使用される小麦粉もありますが、こちらも硬質(ガラス質)小麦で、普通の小麦の粉に比べて、もっとサラサラしていて粒が粗いのが特徴です。
では、打ち粉は、デュラム粉のほうがいいのでしょうか?
おそらく・・・
デュラム粉を使用すると、とっても高価になってしまうのでもったいないですね!
薄力粉しか無いんだけど・・・
薄力粉よりも強力粉のほうが打ち粉に向いていますが、薄力粉が絶対にダメということではありませんので、無い場合は薄力粉でも中力粉でも大丈夫です~。
強力粉のほうがサラサラしていて作業性は良いですが、湿気が多い場所で保管したり、水を付けてしまうとダマになりやすいので気をつけましょう。
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参考・引用文献
お菓子「こつ」の科学 柴田書店
新調理学 光生館