お酢のチカラ

お酢

お酢は、料理に酸っぱい味、「酸味」をつけてくれます。

スーパーには、穀物酢、米酢、果実酢、フルーツビネガーなど、日本産、外国産を問わず、様々なお酢が並んでいますね。

お酢の役割をみてみましょう!

たんぱく質を固める

魚や肉、卵など、酢を加えると、食品に含まれているたんぱく質が固まります。

ポーチドエッグ

この性質を利用して、

ゆで卵を作る際に、ゆでるお湯の中に酢を入れておくと、

ゆで卵を作っている最中に、卵の殻が割れてしまっても卵白が広がり出るのを抑えてくれます。

また、ポーチドエッグをつくるときも、お湯の中に酢を少々入れることで、卵白が固まりやすくなり、
きれいなポーチドエッグができます。

食感の変化

マリネという料理は、肉や魚を酢に漬けることで、もろく(やわらかく)なる作用を利用したものです。

さらに、魚の煮物を作るときに、酢を使うとことで、骨もやわらかくなります。

酢は、やわらかく食品に加えたからといって。必ずしもやわらかくなるだけではありません。
レンコンを酢水で煮るとシャキシャキした歯ごたえになります。


酵素の作用を抑える

レンコンやゴボウを切ると、切り口が褐変します。

これは、食材に含まれるポリフェノール類が空気にふれて、酸化するのが原因です。
水につけことで空気にふれず、褐変を止められます。

さらに、水に酢を加えると食品に含まれる酵素の働きを抑制することにより、水から出したあとも切り口の褐変が防ぎやすくなります。


素材の色を変える

アントシアニン野菜

ナスや紫キャベツなど、アントシアニン色素が多いのが特徴です。
酢を加えることで酸性になり、紫色が鮮やかなピンクや赤紫色に変化します。

カリフラワーやレンコン、ウドなどは、フラボノイド色素です。
ゆでるときに酢を加えるとアクも抜けて、白色がきれいになります。

きれいな色にするだけでは無いので、ご注意を!

緑色の野菜に酢を加えてゆでるとクロロフィル色素が変化して、茶色っぽい色になり見栄えが悪くなります。


魚の生臭みを除去する

魚の生臭みは、トリメチルアミンという成分によるものですが、お酢を加えることで、酢酸トリメチルアンモニウムという別の成分に変えることができます。

そのため、魚を煮るときに酢を少量加えると生臭みがとれます。

または、酢煮として、酢の味付けをしてもOK。

魚の生臭みを酢の風味で消すのではなく、魚の生臭みと酢が化学的に反応して、別の物質に変えるんですね~。



防腐、殺菌に役立つ

魚や野菜で作る酢漬けは、保存性が高く作り置きに向きます。
マリネ、南蛮漬けなどなど。

マヨネーズやドレッシング類も変質しにくいのも特徴ですが、それも酢の効果によるもの。

すし飯も、白飯に比べて腐敗しにくいことは周知の事実ですが、酢の効果によるものです。


食欲をアップさせる

酢は、だ液の分泌をうながすことで、食欲を増進させます。

だ液には、消化酵素が含まれているため、食べ物の消化も高まることが期待できます。

あんかけ焼きそばにお酢をかけたり、ギョウザや焼売のたれに酢が入っています。

これは、油っぽさを無くして食べやすくするだけでなく、

だ液の分泌をうながすことにより、
あんかけの「あん」や焼きそばの「めん」、ギョウザや焼売の「皮」に含まれるでんぷん質を消化させやすくする効果もあります。


減塩効果

料理に酢を加えることで、味が引き締まり、しょうゆや塩の量を減らすことができます。

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参考・引用文献
新調理学 光生館