みその役割

調理学の教科書には、調味料の科学的な解説が載っていて、味付けとしての役割以外に、砂糖の保存性とか、酢の殺菌効果などが数ページにわたって解説されています。

しかし!同じ調味料「さしすせそ」の中でも、みその解説はたったの数行・・・。

確かに砂糖、塩、酢に比べると科学的な効果は多くないというかなんというか・・・。

みそは、みそでいいってことです。
みそじゃなきゃならない料理がたくさんあるんですから~!

みそとはなにか?

大豆

大豆、米や大麦、麹、塩を材料として、発酵、熟成してつくられる調味料、食品のことです。

みその調理学的な役割

・料理に独特の風味をつけます(みそ味と風味)。
同じ材料でも大豆や米、塩などの配合比率が変わり、塩や麹の量の違いによりできあがるみそが違います。甘み、旨味、色、香りなど同じ材料を使っているのにそれぞれ特徴が違うのは、とても面白いですよね。材料だけではなく、自然の力、発酵の力が関わっているためです。

・塩味と旨味を合わせたような風味をつける。
みその旨味は、熟成中に大豆に含まれるたんぱく質の一部が分解されてアミノ酸が多くなるためです。

・保存性を高める(みそ漬けなど)

・生臭さを吸着して消します。
 みそのコロイド粒子は吸着作用があるため生臭みを抑制します。

みそを使う上で知っておきたいこと

  • 長時間加熱すると風味が落ちます。みそ汁などは、煮立てないようにしましょう。
  • だし入りみそは、既に加熱してあるので酵母菌が働きません。
  • 原材料に入っている酒精とは、アルコールと同じ成分で、それ以上みそを発酵させないように加えています。(酒精(アルコール)は、みそに含まれる酵母菌の働きを抑える作用がある。)
  • 減塩みそは塩分を低く抑え、塩分摂取を少なくする目的でつくられています。カビが生えやすいので、冷蔵庫保管がオススメです。
  • 「生みそ」とあれば、アルコールや酒精、加熱などで発酵をとめておらず、発酵が続いているみそのことです。冷蔵庫で保管するのがオススメです。

みそが決め手の料理

みそじゃ無きゃダメな料理は、日本国内外、数多ありますが、ここでは独断により、ピックUPしてご紹介します!

石狩鍋

石狩鍋

北海道を代表する鍋料理。鮭と野菜を具材にしてつくり、みそで味をつける。

鮭は、頭、あら、白子、仕上げにイクラなどが入る。

じゃじゃ麺

ゆでた中華そばに肉みそをかけて食べる料理。

ネギや生姜と豚のひき肉を炒め、みそや甜麺醤などで調味する。もやしやきゅうり、ネギを添えて食べる。

みそかつ

みそかつ

トンカツなどのカツを煮る際やカツにかけるソースにみそを用いて調味した料理。東海地方、特に愛知県のご当地グルメ。

みそのタレには、みりんやザラメなどが入り、煮汁は甘辛くこってりしている。

土手鍋

みそを鍋の周りににぬり、土手のように仕立てた鍋料理。みそを煮汁に崩し入れながら煮て食べる。具材は牡蠣がポピュラーで、白菜やネギ、春菊などの野菜が入る。

みそ田楽

みそでんがく

豆腐やこんにゃく、なす、などの材料を串に刺して田楽みそを塗ってやいたもの。田楽みそには、みそとともにゆずや木の芽、ふき、胡麻などの風味のある副材料が用いられる。

なめろう

あじのなめろう

千葉県の海岸沿いの郷土料理。新鮮なアジやサンマなどの魚を3枚におろし、みそとネギ、生姜、しそなどを一緒にたたき合わせたもの。なめらかな舌触りに由来してこの名前がついている。

からしれんこん

辛子れんこん

熊本県の代表的な郷土料理。

れんこんの穴に、辛子みそをつめて衣をつけてあげた料理。

外側が黄色いのは、小麦粉を水溶きしてクチナシなどで色づけしているため。

みそ漬け

野菜、肉、魚介類をみそ床に漬け込んだもの。みそ床には、みその他に酒やみりんが入る。数日間漬けてから肉や魚は焼いて食べる。

ぬた

ぬた

魚介や野菜を酢みそで和えたもの。辛子酢みそを用いることもある。

貝類やネギ、ワカメなどが代表的。

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参考・引用文献
素材よろこぶ調味料の便利帳 高橋書店
新調理学 光生館