ゼラチンと寒天の違い

ゼリーや水羊羹、ブラマンジェなど、スプーンですくって食べられて、
ブルブルっとしていて、でも全体的にまとまっていて、のど越しがよい。
これらの食べものに共通するのは、「ゲル化」しているということ。
※ゲル化とは・・・コロイド溶液(ゾル)が固体状物質(ゲル)になる現象のこと
一般的に、ゼリーやブラマンジェはゼラチンで作られることが多く、水羊羹は寒天でつくられます。
ゼラチンの寒天どちらもゲル化させる働きがあり、「ゲル化剤」とも呼ばれます。
では、ゼラチンと寒天の違いはなんでしょうか?
ゼリーやブラマンジェは洋菓子だからゼラチン?
水羊羹は和菓子だから寒天? なのでしょうか?
ゼラチンと寒天の共通点
共通点は、果汁や牛乳、生クリームなどの「液体」をかためることができることです。
ゼラチンも寒天も高温の溶液中では、
ゾル(コロイド溶液)となり、温度を下げることでゲル(固体状)になります。
どちらも水(冷水)には溶けませんが、
温めると(熱水には)よく溶けるという性質があります。
ゼラチンと寒天はどちらも、
本来は細胞膜や細胞間質を形成している物質で、細長い鎖状の構造をしています。
ゼラチンと寒天の相違点
ゼラチン

ゼラチンの主な成分はたんぱく質です。
たんぱく質は100g中に87.6g含まれていて、エネルギーもあります。
ゼラチンの原料となるのは、動物の骨や皮で、動物性食品といえます。
各種ゼリーはもちろん、ババロア、ブラマンジェ、ムース、マシュマロ、パンナコッタ、レアチーズケーキやティラミスなどにも使用されます。
寒天

寒天は食品成分表をみると、水分が多いのですが、
たんぱく質、脂質、炭水化物の三大栄養素の中では、炭水化物が一番多く含まれています。
糖類(多糖類)に分類されます。
原料となるのは、海藻で、植物性の食品といえます。
水羊羹、牛乳かん、豆花、みつ豆の寒天などに使用されることが多いです。
ゼラチンと寒天の成分量
100g中に含まれる成分値をです。

ゼラチンはたんぱく質を多く含むので、
100g当たり、344Kcalのエネルギーがありますが、
寒天は、わずか3Kcalです。
寒天には食物繊維が入っていることも成分表からわかります。
原料が動物か、海藻かと考えるとなんとなく想像がしやすいですね。
ゼラチンと寒天以外のゲル化剤
ペクチンや最近製菓材料店で見かけるアガー(カラギーナン)もゲル化剤です。
ペクチンは、果物の皮に多く含まれています。
市販のジャムの原料表示をみると使用していると、場合もありますね。
アガー(カラギーナン)は海藻が原料なのですが、寒天とは違った性質を持っています。
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参考・引用文献
お菓子「こつ」の化学 柴田書店
新調理学 光生館