ゼラチンの特徴

ゼラチンと寒天は原料やゲル化するための条件や特性に様々な違いがありました。

ゼラチンと寒天の違いを知ることで、ゼラチンはどんなお菓子やお料理に合うのか
把握しやすくなりますよ~。

ゼラチンと寒天

ゼラチンと寒天

ゼラチンの特徴

ゼラチンのゾル化とゲル化

ゼラチンでゼリーを作る場合、使用するゼラチン濃度は、できあがりの2~4%を目安にします。

ゼラチンは、溶かす前に5倍~10倍程度の水につけて、ふやかします。

粉ゼラチンは、水にふりいれて約5分、
板ゼラチンは20分~30分水に浸けます。




ゼラチンが溶ける温度は、40~50℃で、溶けたゼラチンは5~10℃でかたまります。

3%の濃度では、氷水か冷蔵庫で冷やさないとかたまりません。

ゼラチンは

ゼラチンの濃度が高いほど

冷やす時間が長いほど

冷やす温度が低いほど


かたくなります

ゼラチンは、約20~25℃で溶ける性質があるため、
夏場は室温に置くとゼリーが溶けてしまいます。

ゼラチンのその他の特徴


ゼラチンは、寒天に比べて接着性が良いため、2色ゼリーなどに適します。

型から出すときは、40℃の温湯に3~5秒ほど浸すとよいでしょう。

板ゼラチンと粉ゼラチン

粉ゼラチンは、材料に水にふやかしたゼラチンを水ごと加えるのに対し、
板ゼラチンは、水けをきってゼラチンだけ加えます。

繊細な味付けにする場合やゼラチンの臭みを入れたく無い場合は、
ふやかした水を加えない板ゼラチンを使いましょう。

さらに、ゼラチン特有の臭いが気になる場合は、
水につけた板ゼラチンの水を何度か取り替えて使用します

そうすることでゼラチンの臭みを少なくして使うことができます。

粉ゼラチンは、水に粉ゼラチンを加えてふやかすようにします。

粉ゼラチンの中に水を入れると、全体に吸水されず、ダマになりやすいです。

水でふやけた粉ゼラチンは、ぽろぽろの状態になっているといいでしょう。



ゼラチンの他の材料の関係

砂糖

ゲルの凝固、溶ける温度、ゼリーの強度を高めます。

透明度や粘性を増します。

酸度の高い果汁は、pH4以下でゼリー強度が低下します。

これは、酸によってゼラチンのたんぱく質が変性を起こすことによります。
酸度が高い果物を加えるとかたまらなくなってしまいます。

種類やそのものにもよりますが、
pH4以下を示す生の果物は

アンズ、いちご、オレンジ、サクランボ、なし、パインアップル、ぶどう、

桃、ラズベリー、ライム、りんご、レモンなどがあります。

かたまる温度まで冷ましてから果汁や果物をを加えるなど、タイミングや温度が関係してきます。

たんぱく質分解酵素

たんぱく質分解酵素を含む果物の生の果汁を加えるとゼラチン液はかたまりません。

果汁を加熱して、酵素を失活させてから添加しましょう。

たんぱく質分解酵素を含む主な果物は、
パインアップル、キウイフルーツ、パパイア、イチジク、マンゴーなどがあります。

牛乳

牛乳はゼリー強度を高くさせます。

牛乳に含まれている塩類によるためです。

卵白と生クリーム

6分立ての生クリームと16℃~18℃のゼラチンゾルを混ぜるなど、
同じ程度のとろみで混ぜることが、分離しにくいコツです。

泡立てた卵白や生クリームは、空気を含んでいるため比重が小さいので、分離しやすくなります。

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参考・引用文献
お菓子「こつ」の化学 柴田書店
新調理学 光生館